「パリ、ジュテーム」18本のオムニバス映画のあらすじ・ロケ地と感想を口コミします。
2006年に公開された「パリ、ジュテーム」は、いろんな国の18人の監督が、「パリの街角の小さな恋物語」をテーマにした、短編オムニバス映画です。
私が初めて見たのはフランスに住んでいた時で、クリスマスにテレビで放映されていたのを見ました。
見終わった時、「いろんな愛の形があっても良いんやなぁ」と、心がポカポカしているのがわかります。
「パリ、ジュテーム」クリスマスに見て欲しい、愛がいっぱいの18本の短編オムニバス映画のあらすじとネタバレ感想、さっそく見てみましょう~!
「パリ、ジュテーム」映画のあらすじ・ネタバレ感想
普段の映画のレビューを書く時は、あらすじとネタバレ感想を別々に書くのですが、18本もあるので、一気に両方書いていきたいと思います。
もし、ネタバレを見たくない方は、今すぐ!U-NEXTで「パリ、ジュテーム」をチェックしてくださいね~♪( *´艸`)
MONTMARTRE(モンマルトル)
モンマルトルで駐車場を探している中年男性が主人公。
やっと駐車して落ち着いたと思ったら、次から次へと駐車したい人がやってくる。
車の中から見えるモンマルトルの景色や人の流れを楽しんでいたところ、路上で倒れている若い女性がいることに気付く。
女性を自分の車の中で休ませていたら、恋が芽生えるステキなストーリー。
フランス語の優しい響きが心地良い、大人の男女の恋物語です!!
QUAIS DE SEINE(セーヌ河岸)
主人公は10代の男の子。セーヌ河岸で友達2人と一緒に若い女の子をナンパしている。
でも、隣に座っているアラブ系の女の子が気になって仕方ない。
そんな彼女が立ち上がって歩き出した時、転んでケガをしてしまう。
アラブの女性が被る「ヘジャブ」がはずれてしまい、被せてあげることでふたりは魅かれ合う。
そして、モ彼女を追いかけ、恋が芽生えるという、キュンキュンする物語です!
LE MARAIS(マレ地区)
舞台はマレ地区の印刷工場。主人公の20代男性ガスパールは通訳として印刷工場を訪れる。
そこで働いている若い男性に運命を感じる。
「もし話さないで帰ったら後悔する」と電話番号を渡して帰った。
主人公のガスパール役のギャスパー・ウリエルがカッコよすぎて、イケメン好きの皆さまには超おススメの作品です!
TUILERIES(チュイルリー)
チュイルリー駅で地下鉄が来るのを待つ、パリを旅行中の中年男性の主人公。
旅行本を見ながら周りをキョロキョロしていると、目の前でイチャつく男女に因縁をつけられる。
彼女に無理矢理キスされた男性は、彼氏に思いっきり殴られる。
日本人の私たちが見ると、怖すぎて思わず引いてしまいそうなラブストーリーです。
LOIN DU 16ème(16区から遠く離れて)
舞台はパリ郊外。ベビーシッターをしている20代女性の主人公は、自分の子どもに子守歌を歌って、寝かせてから仕事へと向かう。
バスと地下鉄を乗り継ぎ、人ごみをかき分けて、パリ市内のシッター先の家へ向かう。
子どもに歌うのと同じ子守歌を、仕事中に無表情で歌うのが印象的です。
ここで日本人が混乱するフランス語のフレーズ。
- Ça ne vous derange pas?(迷惑じゃない?)
- Non.(はい、(迷惑ではありません))
否定形で聞かれた時は「oui」が否定、「non」が肯定になるんでしたよねー!
映画を見ていると気になる表現が出て来ることがよくあります。
その都度、メモしてまとめていくと、日常会話でも使うことができておすすめですよ~!( *´艸`)
PORTE DE CHOISY(ショワジー門)
中国人が多い、ショワジー門が舞台。主人公の中年男性エニーは美容院の営業をしている。
美容院のオーナーのマダム・リーに会いに行くとカンフーで迎えられ、夜までお寺のようなところで待たされる。
夜になると、めちゃめちゃセクシーなマダム・リーが出てきて営業が始まり恋に落ちるという、アジア人をどう思っているのかとイラっとする(笑)ストーリーです。
BASTILLE(バスティーユ)
舞台はバスティーユ。中年男性の主人公はカフェで妻に別れ話をしようとしていた。
不倫相手の客室乗務員と一緒に暮らしたいと言おうと決意していたその時、いつもの赤いトレンチコートを着た妻が突然泣き出し、末期の白血病だと知らされた。
主人公は不倫相手に別れを告げ、妻の最期を共に過ごすことを決意した。
妻が好きなデザートを買って帰り、家のあちこちに絵を飾り、一緒に映画を見に行き、大嫌いなバーゲンにも付き合った。
どんなにつまらないことでも、妻に最後にしてやれることだと思うと感慨深かった。
妻に再び恋をした主人公は、赤いトレンチコートの女性を見ると思い出し、何年間も立ち直れなかった…。
何度見ても「もっと見ていたい」と吸い込まれてきたところで、終わってしまうストーリーです。
PLACE DES VICTOIRES(ヴィクトワール広場)
11歳の息子を亡くしたお母さんが、夜中に息子と再会するという悲しすぎるお話。
私自身、6歳の息子の母ですが、絶対にあってはいけないという想いと、こらえきれない悲しみに襲われて、真っ直ぐに見ることができません。
「パリ、ジュテーム」唯一の日本人、諏訪敦彦監督の作品です。
TOUR EIFFEL(エッフェル塔)
主人公の少年ジャン=クロードのお父さんとお母さんの出会いは留置場。
パントマイムをしていたパパは恋人がいなくて寂しくて、いろんな人の真似をしていたらおまわりさんに連れて行かれて、隣にいたパントマイムをしていたママと出会ったのです。
見ているだけで笑顔になれる、とーっても可愛い物語です。
PARC MONCEAU(モンソー公園)
主人公の初老男性は、まるで若い女性クレアに恋をしているよう。
電話をもらって嬉しくて、クレアに会いに来た。
タバコを吸っていることを怒られ、謝り、遅刻したことも謝り、ギャスパールとの待ち合わせ場所へ向かう。
ギャスパールの奴隷にならないよう、クレアを説得する主人公は彼女のお父さん!
孫のギャスパールの子守りをしに来たというユーモアたっぷりの作品です!
QUARTIER DES ENFANTS ROUGES(デ・ザンファン・ルージュ地区)
主人公のアメリカ人女優リズは薬の密売人ケンに恋をする。
あとで自分のロケ用トレーラーに来るように言ったものの、ケンが来ることはなかった。
でも、代わりに来た密売人の若い男の子のことも気になっていそうなリズ…。
もうちょっと何かあって欲しいな~と、続編を期待してしまう物語です!
PLACE DES FETES(お祭り広場)
主人公は駐車場勤務の黒人男性。掃除をしていたら、黒人女性のソフィが逆走して入ってきて一目惚れ…。
その後、主人公は駐車場をクビになり、ソフィを探し続けていた時に集団暴行に遭い、刺されてしまう。
そこへ救急救命士のソフィが来て、やっと出会えた時、主人公は息を引き取るという強烈にインパクトのある物語。
2006年の映画ですが、あれから約15年たってもその悲しみは変わらないということを、改めて考えさせられる作品です。
PIGALLE(ピガール)
舞台はフランスの風俗街。主人公は中年男性。男性は風俗店のオーナーの中年女性に恋をしている。
雰囲気たっぷりの部屋で大ゲンカするふたりは元恋人同士。
「毎朝キスして 100万年の間ずっと」という歌に恋をしたという彼女に「僕が愛した女性は君だけだよ」と言う主人公。
そう、それはファニーとボブの二人芝居だったのです。
ファニー役は私が大好きな「8人の女たち」で愛人役を演じられたファニー・アルダンさん。
彼女の落ち着いた色っぽいフランス語が心地よくて、とーってもおすすめです!
QUARTIER DE LA MADELEINE(マドレーヌ界隈)
真夜中の不気味なマドレーヌが舞台。若い男性の主人公とドラキュラの彼女が恋をしてしまう物語。
主人公はわざと手を切ってドラキュラの彼女に吸わせようとして、誤って階段から落ちると、ドラキュラの彼女が自分の血を主人公に与えて助けて血を吸い合うという、背筋がゾォ~っとする物語です!
PERE-LACHAISE(ペールラシェーズ墓地)
偉人が眠っているペールラシェーズ墓地に来た結婚を1か月後に控えたカップルの物語。
「私を笑わせて」と言う彼女に「ジョークは苦手だ」と言い続け、ふたりは大ゲンカに…。
彼女が「笑いのない人生なんていらない」と結婚しないことを決めて逃げ出した時、墓から見知らぬ人が現れて「彼女を手放すと死ぬ」と彼に教えてくれました。
そして、「君を正常な人間のように扱う男といて幸せか?」という言葉で仲直り。
彼にすべてを受け入れてもらってとっても嬉しそうな彼女に絶対に幸せになって欲しいと、心がホッコリする作品です。
FAUBOUG SAINT-DENIS(フォーブール・サン・ドニ)
主人公の男性トマは視覚障碍者。芸術学校に通う女優の彼女、フランシーヌから電話で突然別れを告げられる。
「愛は眠りについたわ」と…。
トマは絶望的になり、出会った日から今日までのことを振り返ります。
芝居のけいこで助けを求めていたフランシーヌを助けようとしたトマ。そこから恋が始まり、ふたりはすべて順調だった…。
自由で新しく独創的。映画を観たり踊ったり、ショッピング。笑って泣き、時には叫ぶ…。
どれだけ深い悲しみの結末なのかと、とても複雑な気持ちで見ていたらひっくり返されました。
そう、その電話もフランシーヌの演技の練習だったというオチでハッピーエンドになりました!
QUARTIER LATIN(カルチェラタン)
主人公は別居中の老夫婦。
夫が一緒に暮らしている若い女性に子どもができたから別れ話をするためにふたりは会った。
ふたりとも若いパートナーと暮らしながら、愛し合っていたあの頃の気持ちに少しだけ戻ってしまう、ちょっと切ない物語です。
14ème ARRONDISSEMENT(14区)
2年間フランス語を勉強したキャロルが、パリへひとり旅をした物語です。
初めてのパリでフランス語にチャレンジしたり、美術館や街を散策したり。
ひとりでレストランに入ったり…。
パリが大好きで、いつか暮らしたいと思っていることを作文にして発表しています。
フランス語を勉強されている方には参考になるフレーズがたくさん入っていておすすめの物語です。
そして、私自身、ひとりぼっちのキャロルに共感です。
買って来たサンドイッチを公園でひとりで食べて、ただそれだけで幸せな気持ちになる…。
ひとりぼっちで異国の地で過ごす時、喜びと同時に悲しみに襲われる。それが「生きている」という証…。その瞬間にパリを愛している、パリも私を愛してくれていることを知るのです。
パリの焼肉屋さんにひとりで入っていって、必死で日本のごちそうに触れていたフランス時代を思い出しました。
「パリでメトロ(地下鉄)に乗れた」というだけでも、自信がついて幸せな気分やったな~と、懐かしく思って見ていました。
以上、全18作品のあらすじを一気に説明しました!
心がホッコリする、「パリ、ジュテーム」と~ってもおすすめですよ~!
まとめ
言葉や文化、外国人にとってとってもハードルが高いフランスだからこそ感じられる「何か」を見出すことができる…。
おそらくそれが、フランス、パリの魅力ではないでしょうか?
ホッコリしたい人におすすめしたい、18の愛の物語「パリ、ジュテーム」。
心の奥がきゅーんと温かくなるラブストーリーが、ぎゅ~っと凝縮されています!
ぜひぜひ、U-NEXTでチェックしてくださいね~♪( *´艸`)